未来のフィッシャーマンを育てる

西伊豆 & ANGLER

ABOUT

一般社団法人フィッシャーマン・ジャパンと西伊豆町、株式会社ピラミッドフィルムクアドラは、西伊豆町に釣り人(=ANGLER)の関係人口を増やすプロジェクト「西伊豆&ANGLER」をスタートしました。漁師不足による漁獲量低下の解消と、多様な人材が訪れることによる町の活性化を目的とした新たな試みです。「釣りを複業にできる町」をひとつのゴールとして、町外の釣り人と共創し、現地体験ツアーや意見交換会を実施してまいります。

BACKGROUND

1. 新プロジェクト「& ANGLER」とは
「& ANGLER」とは、漁業の担い手不足に悩む地域とANGLER(アングラー = 釣り人)をつなぎ、関係人口の創出や釣りを複業にした移住を促進するプロジェクトです。これまでは、海を訪れる釣り人たちと漁師をはじめとした地元の人々との交流はほとんどありませんでした。本プロジェクトによって両者のコミュニケーションを円滑化し、地域水産業の活性化を目指します。

2.本プロジェクトの意義
私たちフィッシャーマン・ジャパンは、漁師だけでなく水産業に深く関係する人びとを「フィッシャーマン」と呼び、こうし たフィッシャーマンを全国に増やすことで水産業や地域の活性化を目指しています。漁師不足に歯止めをかけるための担い手育成事業では、これまでに全国で 180 名以上の新規漁業者を誕生させた実績があります。
一方で、全国各地の漁村から「新規参入しても漁師の収入だけで生計を立てるのは難しい」という声や、漁業に関心のある方々から「いきなり漁師を専業にすることや、地域へ移住することはハードルが高い」という声を聞く機会が多くありました。そこで、まずは「釣り人関係人口」として地域へ関わっていただき、そこから多拠点や移住などの選択肢を経て、新たなフィッシャーマンの形である「釣り人漁師(※)」を産みだすことで、水産業の担い手を増やし育てたいと考えます。
釣り人漁師は、他にも仕事を持ちながら週に数回のみ漁を行う「半漁半X」という働き方を推進。間口の狭さが大きな課題である水産業に、多くの人が関心を持ち参加できるきっかけをつくることを目指しています。
地域としては漁業者はもちろん、釣り人関係人口が増えること自体に大きなメリットがあります。人の姿が見えない海では密漁やゴミの投棄などのルール違反が横行する傾向があり、地域の海に深く関わる人が増えることでこうした違反行為の予防効果も見込めます。他業界から水産業への参入者が増えることにより、今までにない海の活用法や課題解決のアイデアが生まれることも期待できます。
※漁業権を取得される場合は、漁村へ移住し、その浜の信頼を得て、地域の漁協の組合員になる必要があります。

RESULT

西伊豆町役場の全面協力でプロジェクトが実現
プロジェクトの第一弾として、黒潮の恵みによる豊かな漁場をもつ静岡県西伊豆町とのコラボを実施します。「西伊豆 & ANGLER」のWebサイト(URL:http://andangler.com/nishiizu/)を立ち上げて西伊豆町の魅力やすでに移住した釣り人へのインタビュー(ANGLER'S VOICE)を紹介。釣りや地元の人々との交流を楽しめる体験ツアー(ANGLER'S TOUR)を実施します。ツアー参加などで関心を深めた釣り人に対しては、町役場が住宅探しなど本格的な移住支援に乗り出します。移住後の定着に至るまで本プロジェクトのコーディネーターが町と連携をとりながら継続的に支援します。

西伊豆町は、伊豆半島の西海岸に位置する人口約7千人の町です。水平線に沈む夕陽の美しさでも知られています。駿河湾の海の幸が豊富ですが、近年は漁師不足や過疎化などの悩みを抱えていました。釣り人が提携船で釣った魚を電子地域通貨「サンセットコイン」で買い取るツッテ西伊豆など独自の取り組みを進めており、「釣り人にやさしい町」として全国的に注目を集めつつあります。

また、西伊豆町では県外から移住した釣り人に対して漁業権を与えた例もあります。コロナ禍を経てリモートワークが広がり、複業や二拠点生活(デュアルライフ)も一般化してきました。趣味の釣りを「複業」にできる環境が同町には整いつつあります。

関連プロジェクト

TRITON JOB SPOT

好きなときに、好きな海で働こう。 水産業での新しい働き方「TRITON JOB SPOT」。どなたでも1シーズンから海の仕事を始めることができます。 漁師として全国の漁村を旅するように渡り歩く。 社会人や学生の肩書きを持ちながら、1シーズンだけ漁師として働く。 閑散期の間だけ漁師が他の漁村の手伝いに向かう。 私たちは「TRITON JOB SPOT」を通じて、そんな水産業での新しい働き方を提案します。水産業での自由で柔軟な働き方を広めることで、人材の流動性を高め、繁忙期の漁村が抱える季節的な人材不足の解決を目指します。 <「TRITON JOB SPOT」が考える新しい働き方> 1.フリーランス漁師 全国の漁村を旅するように渡り歩く漁師ケース。これまで「TRITON PROJECT」で築いてきた全国の漁師ネットワークを活用し、複数の親方が一人の担い手を育てあげます。 2.学生・スポット漁師 普段は学生や社会人の肩書きを持ちながら、休みの期間を利用して漁師として働くケース。漁業体験を提供することで、将来、水産業に関わる人(=フィッシャーマン)を増やします。 3.一次産業フリーランス すでに一次産業で季節的に働く人が漁業も行う漁師ケース。農業や林業といった他の一次産業との横の交流を活発化させ、人材の流動性を高めます。 4.漁師副業 すでに漁師として働いている人が休漁期・閑散期に別の漁村で働く漁師副業ケース。全国レベルの広い漁村・船同士のネットワークをつくります。