2023.1.6

新年あけましておめでとうございます。

2023年。

石巻は穏やかな年始を迎えました。

浜に止まる船には新しい年を祝うカラフルな大漁旗。

海のそばで暮らすひとにとっては、おなじみの光景です。

そんな「当たり前」の浜の風景の中に、新しい船が仲間入りしました。

昨年秋に宮城県漁協雄勝町雄勝湾支所の准組合員となった新人漁師の冨樫翔くん。

先日、中古の船外機船を手に入れ、進水式を行いました。

進水式は通常、新しい船をつくったときに行うものですが、新人漁師たちにとっては、新しいも古いも関係ありません。

船を持つこと。

それは、この海で漁師として生きていく証です。

船は隣の浜の漁師から譲り受け、船外機エンジンは、新人漁師仲間の親方からの紹介で購入させてもらえることに。

彼を祝福するかのように、朝から降り続いた雪がやんだ昼下がり。

兄弟子の「大輝丸」の進水式を倣って海の神様へ安全と大漁をお祈りしたあと、船名が入った真っ白な旗を掲げて、小さな船が冬の海に飛び出しました。

船の名前は「かける丸」。

名前である<翔>の訓読みで<かける>。

あえて平仮名にしたのは、<漁業と何かをかけ合わせて、新しい価値を生み出したい>という彼らしいこだわりです。

水産業の答えは、いつもひとつではないこと。

それは、この海が教えてくれました。

さぁ!

新しい命を宿した船で、あらたな冒険がはじまります。

誰も見たことがない、カラフルな水産業の世界を目指して。

本年もどうぞよろしくお願いします。

※進水式の様子が「石巻かほく」に掲載されました

https://kahoku.news/articles/20230104khn000008.html