2022.9.1

三重県南伊勢町で水産業の担い手育成事業「TRITON PROJECT」がスタート。

南伊勢町、三重外湾漁協、漁師団体、漁船IoTベンチャー企業が一体となり、 持続可能な水産業の実現を目指します。

三重県南伊勢町で、南伊勢町、三重外湾漁業協同組合(以下、外湾漁協)、一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン(代表理事:阿部勝太、以下FJ)、株式会社ライトハウス(代表:新藤克貴、以下LH)が連携して、水産業の担い手育成事業「TRITON PROJECT」をスタートします。担い手不足を解決するチームを立ち上げ、水産業の求人情報の発掘と発信、漁師希望者の受け入れ体制の整備を行うことで、持続可能な水産業の実現を目指します。さっそく10月には漁師希望者を受け入れる短期研修「南伊勢漁師塾 × TRITON SCHOOL」を実施します。

三重県南伊勢町で進めていく担い手育成の取り組みは主に三つに分けられます。

①担い手不足を解決する地域でのチームづくり

南伊勢町水産農林課、南伊勢町まちづくり推進課、外湾漁協、FJ、LHが連携し、担い手不足の解決などに取り組む「チーム TRITON 南伊勢」を立ち上げます。漁師希望者と地元の漁師の調整役となる漁業・漁村活性化コーディネーターとして、FJの社員が南伊勢町の集落支援員の委嘱をうけ、10月からもう1名が地域おこし協力隊の委嘱をうけて活動します。

②水産業の求人情報の発掘と発信

南伊勢町の地域おこし協力隊と集落支援員が、地元漁師へのヒアリングを行い、地域の魅力や求人に関する情報を収集します。それをもとに求人コンテンツを作成し、水産業特化型求人サイト「TRITON JOB」に掲載、人材募集を行います。すでに養殖業を営む事業者の求人が決定しています。

③漁師希望者の受け入れ体制の整備

チーム TRITON 南伊勢では、漁師希望者がいつでも気軽に相談することのできる問い合わせ窓口を設置しています。また、漁師希望者が一定期間、漁師体験することができる研修(短期・長期)を開催するほか、受け入れ漁師と漁師希望者に対して指導料や人件費を支援する制度も整えました。さっそく10月には短期研修「南伊勢漁師塾 × TRITON SCHOOL」を実施します。

<今後の展開>

10月に行われる短期研修のほかに、今年度内に2回短期研修を予定しています。長期研修では、受け入れ人数3人/年を目標として、受け入れ先の発掘・整備を行います。また、今回の連携は担い手育成事業にとどまるものではありません。持続可能な水産業を実現すべく、漁船IoTベンチャー企業のLHとともに水産業のDXに取り組むほか、水産加工会社へのインターンシップ制度の導入、磯焼け対策、海産物の販路開拓、水産系の大学との連携も進めます。

<背景>

三重県南伊勢町の水揚げ量は県内1位。町内には10の漁港施設があり、中でも最も大きい奈屋浦漁港には1日に500t以上の魚が水揚げされることもあります。市場にはまき網や定置網で獲るサバ・イワシをはじめ、養殖マダイや養殖マグロも並ぶ、全国屈指の漁業の町です。

そんな南伊勢町ですが、かつては32,000人いた町民が11,000人まで減少し、漁業者の減少・高齢化が進んでいます。町としても、外湾漁協としても、これまで漁業を支えてきた漁業者の技術を継承し、町の漁業を維持・発展させていくため、若者の確保が急務となっていました。

そこで、宮城県石巻市を中心に担い手育成に取り組み、新規就業者を迎えた実績のあるFJ(石巻市内で7年間に40名以上の漁師が誕生)に働きかけ、2022年4月に「稼げる産業・担い手づくりスタートアップ事業」を南伊勢町からFJに委託。南伊勢町、外湾漁協、FJ、LH(FJと業務提携を締結)が一体となって担い手育成事業「TRITON PROJECT」に取り組むこととなりました。

<町長からのコメント>

三重県下一の水揚げを誇る南伊勢町の水産業。稼げる産業、子供に継がせたいと思う産業にしていくために、令和4年度より「稼げる産業・担い手づくりスタートアップ事業」を開始しました。後継者不足の課題を抱える水産業を魅力あるものへと転換させ、三重外湾漁業協同組合や漁業者、フィッシャーマン・ジャパンやライトハウスをはじめとした民間企業、地域住民の皆様とともに、「活気ある水産業の実現」を目指し進めていきます。